今回紹介するAudible作品は
『プラージュ』です。
訳ありの住人達が集まるシェアハウス『プラージュ』で巻き起こる、温かくも切ない人間ドラマを描く社会派小説。
2017年には星野 源さんの主演でドラマ化(WOWWOW)もされ話題となりました。
犯罪者の更生といった現代問題を扱いつつも、思いもよらぬラストのミステリー展開もアリの『プラージュ』はAudibleでも楽しめたのか？
アラフィフおっさんの独断と偏見の感想やいかに！？
さっそくいってみましょー。(^^♪
『プラージュ』はAudibleで楽しめる作品だった！？
結論から言えば『プラージュ』はAudibleでも十分楽しめる作品でした。
理由はこんな感じ。
・重いテーマながらも小気味よいストーリー展開で聴きやすい！
主人公「吉村貴生」がプラージュの住人となる経緯から、貴生との絡みで住人たちを紹介していくテンポ感の良いストーリーが小気味良いです。
序盤からすぐに世界観に引き込まれてしまう本作は、Audible初心者でも聴きやすい物語でしょう。
・秀逸のミステリー展開は衝撃のラストまで目（耳）が離せない！
ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、貴生の時系列と少しずれたもう一つの物語で構成される本作。
二つのストーリーがシンクロする衝撃のラストはミステリー作品としても楽しめます。
・ドラマキャスティングでイメージすれば登場人物の多さもカバーできる！
Audible初心者はドラマの初見から入るのもアリです。
「登場人物が多い本作は人物像を把握するのはちょと難しい….(-_-;)」
そんな方もドラマ俳優でイメージすれば感情移入もしやすいとおもいます。
ネタバレが嫌なら相関図だけみてイメージしてみるのもよいでしょう。
『プラージュ』｜作品紹介
2015年に幻冬舎より発刊された本作品。
著者は姫川玲子シリーズの『ストロベリーナイト』などの代表作で知られる誉田 哲也氏です。
2017年に幻冬舎文庫でも発売され、同年にWOWWOWでテレビドラマ化。
星野 源さんの主演で製作されたこのドラマは「衛星放送協会オリジナル番組アワード」審査委員特別賞（ドラマ部門）を受賞しています。
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『プラージュ』｜あらすじ・内容
仕事も恋愛もうまくいかず、うだつの上がらない日々を過ごすサラリーマン「吉村貴生」は、気を紛らわすため飲みに出掛けた先ですすめられた覚醒剤に、軽い気持ちで手を出し逮捕されてしまう。
さらに悪いことは重なるもので、執行猶予中に過ごしていたアパートが火事となり、仕事も友達も住む場所さえも失うことに…。
八方ふさがりとなった貴生は助けを求め保護司をつてにシェアハウス「プラージュ」を紹介してもらう。
カフェも兼ねるこの建物のオーナー「朝田 潤子」との面接で説明されたのは、”家賃5万円、掃除は交代制、個室はあるが仕切りはカーテンのみ、そして美味しい食事つき”といったものだった。
ここで人生をやり直すという決意と、若い女性の住人が二人もいるという下心もあり「プラージュ」の住人となった貴生だったが、個性豊かな住人達はどうやら訳ありな人達ばかりだと気づき始め…
出来心で犯した罪のためにすべてを失ってしまった貴生が、訳あり住人たちとシェアハウスで過ごす中で、自分の人生を取り戻していくヒューマンストーリー。
社会から疎外されながらも、希望をもって生きる人々の姿を丁寧に描く物語に心を打たれます。
さらには二つのドラマがシンクロしていくミステリー要素も見逃せない作品です。
『プラージュ』｜Audibleで聴いてみた感想と評価
『プラージュ』をAudibleで聴いてみた感想は、「訳あり住人達の切なくも温かい物語は、いい意味で最初の期待値を裏切られて面白かった！」でした。
恥ずかしながら誉田氏の作品はほぼ未見…。(-_-;)
話題となったドラマ「ストロベリーナイト」もタイトルだけは知っていましたが、当時からあまりテレビを観なかったこともありノーマークでございました。
本書もAudibleの”あなたにオススメの本”をなんとなくクリックして聴き始めたものの、ジャケ絵からも物語をイメージできずあまり期待していなかったのですが…
「これなんかちょっと面白いぞ…」とおもった頃には完全にドハマりしてました。
(^^;)
登場人物が多かったり、時系列の違う二つの話が進行したりと、イメージしにくい部分もありましたが、ラストまで惹きつける話の面白さで楽しませてくれた作品でした。
良かったと思う点は…?
・「社会問題ｘミステリー」で魅せるストーリーの面白さに脱帽！
何度も書きますが、とにかくよくできたストーリー展開にうならされます。
”犯罪者の社会復帰”という重いテーマを”シェアハウスでの人間ドラマ”で描きつつ、そこに”ミステリー”まで絡ませる誉田氏の才能に脱帽いたしました。
・物語を重い空気にさせ過ぎない”テンポ感＆ポップさ”のバランスが絶妙！
ストーリのテンポさもさることながら、ちょっと抜けてる貴生の天然さが、物語の”重さ”の中に”軽さ”を与えてくれるのが心地よいです。
残酷な描写も多い作品ですが、重すぎない雰囲気にならないバランス感は個人的には好みでした。
・俳優・眞島 秀和さんのナレーションの声の渋さと演技力がハンパない！
WOWWOWドラマでもシェアハウスの住人の一人として演じられている眞島 秀和さんが本書のナレーターを担当。
恥ずかしながらこちらも存じておらず、最初に聴いたときは”どこのイケボ声優だ！”と勘違いするほど、声も演技も素晴らしかったです。
女性役も違和感なくこなされており、イケボでありながらメインとなる三人の女性キャラクターの演じ分けも完璧でした。
イマイチだったかなと感じた点は…?
・登場人物の多さと、ミステリー要素に戸惑う場面も…
Audible初心者を悩ませる登場人物の多さは本書でも…
主人公「貴生」をふくめたシェアハウス住人の6人とオーナーの「潤子」、さらには店に来る常連客や住人達の過去に関わった人々などなど。
これらにミステリー要素も加わることで、話の複雑さに戸惑う部分もありました。
とはいえ、すべてを把握しなくとも読み進めるうちに理解できることもあり、次第に物語の面白さへと繋がっていくので思ったほど聴くハードルは高くありませんでした。
・約12時間の再生時間（標準再生）は聴きやすいとは言いにくい…
再生時間約12時間もAudible初心者には聴くハードルを上げる要素のひとつ。
しかしながらこちらも、再生スピードを上げることでカバーすることができます。
※（アラフィフ父の再生スピードのデフォルトは1.5倍速）
さらには通勤や家事の最中、ウォーキングなどの”ながら時間”で楽しめば、ストーリーの面白さとの相乗効果であっというまに聴けてしまうので、読書と比較してもタイムパフォーマンス的にgoodです。
五段階評価は…？
というわけで、アラフィフ父の五段階評価はコチラ！
| Audibleでも内容は理解できた？ | |
| ナレーションの魅力は？ | |
| エンターテイメント性は？ | |
| 総合評価は？ |
まとめ
今回はAudibleで聴けるシェアハウス物語『プラージュ』をご紹介しました。
感想をまとめるとこんな感じ。
・重いテーマを扱いながらも、テンポの良さと面白さで聴きやすい物語
・予想のできないラストの衝撃展開はミステリー作品としても楽しめる
・キャスティングが絶妙なWOWWOWドラマ版も要チェック
・ナレーターの眞島 秀和さんがイケオジ＆イケボで惚れてまう(^^;)
ジャケ絵の地味さに惑わされず、”騙された！”と思って一度聴いてみてほしい本作。
テンポよくすすむもイマイチ見えてこない物語が、ラストの伏線回収であっと驚かせられる展開は、きっとアナタを満足させる読み（聴き）応えある一冊だとおもいます。
そしてもう一方で、社会に受け入れられないシェアハウスの住人達が苦悩しながらも精一杯生きようとする姿に、すべての物事に線引きをしてしまう現代社会の怖さみたいなものにも気づかされる作品です。
WOWOWドラマ版の『プラージュ』はまだ未見なアラフィフ父。
ナレーターの眞島さんのイケボ演技を要チェックしつつ、まずは全5話のドラマ版を完走してから他の誉田氏の作品もチェックしていきたいとおもいます。
(^^♪
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今回の記事の感想をコメントから聞かせてくれたら励みになります！
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
次回の記事もお楽しみに。 (^^♪
