今回紹介するAudible作品は、
『同志少女よ、敵を撃て』です。
第二次世界大戦。激化するソ連とドイツとの戦いの中、女性狙撃手として戦火へと向かう少女セラフィマの物語。
逢坂 冬馬氏がデビュー作で2022年本屋大賞を受賞した話題作はAudibleで楽しめたのか?
さっそく紹介していきましょう!
結論|『同志少女よ、敵を撃て』はAudibleで楽しめる作品だった!?
『同志少女よ、敵を撃て』はAudibleでも十分楽しめる作品でした。
理由は3つ
・序盤からの衝撃的な展開で、イッキに作品の世界観に引き込まれる!
・独ソ戦の資料から緻密に書き下ろされた著者の熱量が伝わる!
・戦争経験のない僕らに、人間の尊厳の大切さを考えさせられる!
序盤の牧歌的な雰囲気が、あっという間に残虐な世界へと落ちていく展開の速さが秀逸。
陰気でグロテスクな描写が脳内でイメージされ、否が応でも世界観に引き込まれてしまいます。
人類史上最大の死者数を計上した独ソ戦を小説にしたいという逢坂氏の熱量が、フィクション作品にリアリティーをもたせます。
時代背景はもとより、戦時中の両国の兵士や市民の”想い”や”感情”がダイレクトに伝わるのは、彼の資料研究の緻密さが作品のいたるところにちりばめられているからなのでしょう。
主人公セラフィマを通してみる”人の尊厳”を踏みにじる行為は、戦争経験のない僕らに”恐怖”と”怒り”をあたえます。
憎しみが憎しみを生み、人が人でなくなる様を描く本作は、「人間の倫理とは何なのか?」を問う作品でもありました。
『同志少女よ、敵を撃て』|作品紹介
2021年に逢坂 冬馬氏がデビュー作として発表した本作。
第11回アガサクリスティー賞で史上初の全選考委員から5点満点をつけての大賞受賞。2022年本屋大賞も受賞し話題となりました。
すべてを奪われた少女セラフィマが、狙撃手となり戦争へ身を投じ苦悩する姿に心打たれる作品。
著者が半年をかけ戦史について研究されたと語られるように、作中の細やかな戦争描写が読み手をリアリティーある世界観へと引きずり込んで離なさない大作です。
※ 参考インタビュー →『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬インタビュー「独ソ戦前線で銃を構えた女性狙撃兵。彼女たちの生の声が、この物語を導いた」 『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂 冬馬/早川書房) | インタビュー・対談 – 本の話
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『同志少女よ、敵を撃て』|あらすじ・内容
第二次世界大戦中のソ連とドイツの戦いが激化する1942年。
母と共に猟師として働き、平和に暮らすロシア人の少女セラフィマの日常は、突然のドイツ軍による襲撃によって崩壊されてしまう。
惨殺される村人達と、目の前で銃弾に倒れる母。
自身も殺されそうになるセラフィマだったが、同志赤軍の助けにより九死に一生を得る。
すべてを失い自暴自棄となる彼女に、冷徹な女兵士イリーナが放った言葉は「戦いたいか、死にたいか」。
セラフィマは母を撃ったドイツ人狙撃手と、焦土作戦のため母の遺体を焼き払ったイリーナへの復讐を誓い、イリーナが教官を務める訓練学校で狙撃兵となることを決意する。
同じ境遇の少女らとともに訓練を重ね、前線で戦果をあげるセラフィマ。
人の尊厳を踏みにじる異常な世界と、膨大な死体の先に彼女が見た光景とは?
幸せに暮らしていたセラフィマに襲う突然の悲劇。
第二次世界大戦中の独ソ戦を背景に、復讐心から狙撃手となった彼女に待ち受ける運命を描きます。
『同志少女よ、敵を撃て』|Audibleで聴いてみた感想と評価
『同志少女よ、敵を撃て』をAudibleで聴いてみた感想は、「やっぱり世の中で一番怖いのは、憎しみと猜疑心をもった人間なんやな」でした。
史実に基づいたフィクション作品は、物語として最高に面白かったです。
ですが、現実としてこういった残酷な戦争があったことをあらためて認識させられると、なんとも言えない複雑な感情が湧き上がってくるものがありました。
「この状況下で、自分は人としての倫理観を保てるだろうか?」
読後は自身の”心の闇”にこんな問いを続けてしまう、単なるエンタメ作品とは一線を画す作品でありました。
● 良かったと思う点は…?
・序盤のストーリーの展開が早い!
・独ソ戦の史実に触れられる!
・多くの女性キャラを演じる分けるナレーションがgood!
前述もしましたが、とにかく序盤の衝撃展開で掴みはバッチリです。
主人公セラフィマがどうなっていくのかと、このあとの展開にも期待をもたせます。
半年にわたる資料研究で書き下ろされた本作。
セラフィマが愛用する狙撃中”STV-40″,ソ連軍大型戦車”KV-1”など、ミリタリーオタク達の心をくすぐる名称はもちろん、戦争背景や兵士・市民らの実状が細やかに描かれており、一つの歴史に触れられる作品です。
声優の青木 瑠璃子さんのキャラクターの演じ分けがgood!。
多くの女性キャラを一人で演じているのに、声でどのキャラのセリフかがわかる技術と演技力が素晴らしかったです。
● イマイチだったかなと感じた点は…?
・登場人物が多くロシア人の名前が覚えにくい…
・再生時間が長く集中力が切れる…
・主人公視点から他の人物への視点の切り替わりがわかりにくい…
登場人物が多く、Audible初心者は苦労するかも…
また、僕のようにカタカナ名を覚えるのが苦手だとさらに苦労します。
(^^;)
ただ、本作のナレーター青木さんのキャラの演じ分けの巧みさで、次第に声で誰が誰なのかを理解できるようになりました。
これはAudibleならではのメリットですね。
再生時間約15時間半は、Audible初心者にはハードルが高めかも…
実際、僕も集中力が途切れて何回か巻き戻して聴きなおしたりしてました。
第四章だけでも4時間越えなので、自分の集中できるペースに合わせて聴いていくのがベストです。
ストーリーの大半が主人公セラフィマ視点から描かれるのですが、他の人物に視点が変わった時に若干混乱してしまいます。
他の作品でもよくあるこの現象…(-_-;)
しばらく聴いていると、「あっ、視点が変わったのか」と気づくのですが、こういったところはAudibleのデメリットだなと感じました。
というわけで、アラフィフ父の5段階評価はコチラ!
Audibleでも内容は理解できた? | |
ナレーションの魅力は? | |
エンターテイメント性は? | |
総合評価は? |
まとめ
今回はAudibleで聴ける『同志少女よ、敵を撃て』をご紹介しました。
感想をまとめるとこんな感じ…
(^^♪
・衝撃展開の序盤で、イッキに読者の心を掴むストーリー!
・史実に基づく物語は、独ソ戦の歴史に触れられる!
・多くのキャラを演じ分ける、小島さんのナレーションが素晴らしい!
・再生時間は長めだが、自分のペースで聴けばラストまで十分楽しめる!
・エンタメ作品でありながら、人間の尊厳を考えさせられる内容に心打たれる!
読後は、壮大な戦争映画を見終えたような気持ちにさせられた本作。
濃密なストーリーと細やかな描写。そして想像力を補うナレーターの声が脳内でイメージされ、最後まで物語の世界観にどっぷりとハマってしまいました。
セラフィマの成長と苦悩、上官イリーナとの関係性、仲間たちとの友情、そしてリアルな戦争描写は、エンタメ作品としても楽しめる一方…
今なお世界の各地で戦争・紛争が絶え間なく繰り返されている現実を”対岸の火事”としている僕らに、争いによる人間の狂気がどれほど恐ろしいものなのかを伝えてくれる作品でもありました。
主人公セラフィマの運命は、果たしてどんな結末を迎えるのか?
ぜひ本書を手に取って、そのラストをご自身の目で確かめてみてください。
漫画|同志少女よ、敵を撃て 1
鎌谷悠希/漫画 逢坂冬馬/原作 速水螺旋人/監修
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最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
次回の記事もお楽しみに。
(^^♪