皆さんは「自分がいつ死ぬのか」知りたいですか? 本書を読むまでは私もできれば知りたくはないな~と思っておりました
ですが本書を読みおえると、自分が何年何月何日に死ぬのか、知りたくなってしまいます
本書では著者のビルが『老後まで資産をひたすら拡大し続けることに意味があるのか?』と読者に問いかけ、死ぬまでに資産を使い人生を豊かにすることの有益性を、彼の経験談などもふまえて指南してくれます
自分がいつ死ぬのかわかるのなら、逆算して資産全部使い切れるかも?
◎ 『DIE WITH ZERO』
人生が豊かになりすぎる究極のルール
(ダイヤモンド社)
著者・ビル・パーキンス 訳・児島修
前書きで著者のビルが本書のテーマについて”アリとキリギリス”の話を持ち出して語っています
皆さん御存じのように『遊び人のキリギリスは夏の間を遊び続けて冬を越せなかった』 そして『勤勉なアリは夏の間も越冬するための食料を確保するため働き続けた』
我々世代は、キリギリスの生き方は間違いで、アリのように生きることがだ賢明だと教えられてきました。ですが著者のビルにはある疑問が…
”アリはいつ遊ぶんだ?”
働き続けお金を貯め続けて老後に備える。その人生は本当に正しいのかと?
本書でビルは今迄の観点とは逆の方向から、人生の中でのお金の使い方、タイミングを指南してくれます
◎ 著者 ビル・パーキンス 紹介
・ビル・パーキンス 1969年 アメリカテキサス州ヒューストン生まれ
・コンサルティング会社BrisaMaxホールディングスCEO
・アイオワ大学卒業
・現在は1億2000万ドル超の資産を抱えるヘッジファンドのマネージャー
・さまざまな分野に活躍の場を広げる。(映画プロデューサー、ポーカープレーヤーなど)
・本書『DIE WITH ZERO』が、初めての著書
◎ 概要
タイトルで『DIE WITH ZERO』(ゼロで死ね!)と謳っているように、本書では、富(お金)の最大化ではなく、人生の喜び(経験)を最大化することに意義があるとビルは語っています
・健康や体力的に余裕のある若い時期には、経験にお金を使うこと
・ゼロで死ぬためには、人生最後の日を意識すること
・子供への相続は死ぬ前に与えること(死んでからでは遅い)
・年齢にあわせた”金”・”時間”・”健康”のバランスを意識すること
・やりたいことはやれるうちにやること。(年老いてからではできなくなることが増える)
・資産を減らしていくタイミングを考え、大胆にリスクを取っていくこと
ビルは上記のルール(本書では9つのルール)を用いて死ぬまでに資産を計画的に使い、悔いのない人生を送るべきだと本書で書き記しています
◎ 感想
前々から読みたい本だったこともあり、肯定的に読破した部分はありますが、50歳になる私には共感できるところが多々ありました
本書ではマシュマロテスト『今すぐに1個のマシュマロを手にすることができるが、15分間待てばマシュマロが2個もらえる』という子供への心理テストのくだりがあるのですが、以前の私なら後者を選び、そして自分の息子にも同じように15分待ちなさいと教えたでしょう
ですが本書を読み終えた私は、ビルに『ホントにそれでいいのか?』『お前は15分我慢して手にした2個のマシュマロも、結局大事に取っておいて食べる事すら忘れてしまうんじゃないのか?』と諭された気分になりました
稼いだお金をひたすら投資に回して将来は自由になる。そんな当方を含めたFIRE民には一石を投じる書籍だと思います。 自由になった頃にはあの時なら経験できたことも、もうできなくなっているかもしれません
ビルが提言する資産の取り崩していく年齢に踏み入りつつある私には、老後資産をつくることも大事だが、一度しかない人生を謳歌するためにどうしたら有意義なお金の使い方をしたらよいのだろうと考えさせられる書籍でした
結局、自分がいつ死ぬかはわからないのだから、先々のことを考えながらも、今という時間を大切に生きるために、上手にお金と向き合うことが重要だと思います
死ぬ時に持っていけるのは、『お金』ではなく『思い出』です
◎ まとめ
・若い時こそ、お金など貯めずに”経験”を買う
・”時間”と”健康”はお金よりも重い。中年期には”時間”と”健康”をお金で買う
・子供への相続は自身が死んでからでは遅い。(子が援助して欲しい時がベストな時)
・老後の為の資産は、ほとんど使わずに終わる
・死に際の最高の財産は”お金”ではなく”思い出”
資産を大きくする事ばかりに気を取られていたので、お金を使う事の大切さや難しさを教わりました。さすがにビル氏のような派手な使い方はできませんが、自分なりの有意義なお金の使い方をしていきたいですね
今回はここまで。最後までお読みいただきありがとうございました