「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 2025年本屋大賞」の発表が、今年も4月9日に明治記念館にて行われました。
アラフィフ父が【Audible】を利用している理由の一つは、この本屋大賞のノミネート作品が多数配信されているから。
書店で並ぶノミネート作品に「で、どれが面白いの?」と頭を抱えていたある日。
「Audibleでも配信されている作品いっぱいあるやん!これならコスパよく楽しめるやん!」と気づいたのでした。
今回は2025年本屋大賞ベスト10の中から、【Audible】で配信されている6作品を徹底解説!
アラフィフ父の独断と偏見で選んだオススメ作品も紹介していきますよ~。
それではいってみましょー!!(^^)!
本屋大賞とは?

2004年に設立された、NPO法人・本屋大賞実行委員会が運営する本屋大賞。
”全国書店員が選んだいちばん!売りたい本”をキャッチコピーとして掲げられたこの賞は、新刊書の書店(オンライン書店も含む)で働く書店員の投票で決定されます。
本が売れない時代となり、出版業界や書店が低迷する中、顧客である読者を一番理解している書店員から売れる本を発信することで、業界に新しい風を起こそうと発案されました。
毎年12月1日から翌年11月30日の間に刊行された日本の小説から選考され、一次投票で選出された上位10作品のうちから、二次投票を経て大賞が決定されます。
過去の大賞作には映画化やドラマ化された作品も多数。
第一回大賞作品「博士の愛した数式」や、第八回大賞作品「謎解きはディナーのあとで」などは知る人も多いところでしょう。
2025年本屋大賞ベスト10

2025年本屋大賞ベスト10は以下
<順位> | <タイトル> | <著者> | <あらすじ> |
大賞 | カフネ | 阿部 暁子 | 弟を亡くした姉と弟の元恋人との関係を描く感動物語 |
2位 | アルプス席の母 | 早見 和真 | 高校球児の母親の葛藤を描く家族小説 |
3位 | 小説 | 野崎 まど | 小説に人生を捧げた少年たちの成長と友情の物語 |
4位 | 禁忌の子 | 山口 未桜 | 現役医師が描く救急医療を舞台にした衝撃のミステリー |
5位 | 人魚が逃げた | 青山 美智子 | SNS上の「人魚が逃げた」から始まるハートフルドラマ |
6位 | spring | 恩田 陸 | 一人の天才少年をめぐる長編バレエ小説 |
7位 | 恋とか愛とかやさしさなら | 一穂 ミチ | 盗撮で捕まった婚約者との答えのない新境地恋愛小説 |
8位 | 生殖記 | 朝井 リョウ | ななめうえの視点から”幸福とは?”を描く異色作品 |
9位 | 死んだ山田と教室 | 金子 玲介 | ユーモアと残酷さと優しさが詰まった青春ファンタジー |
10位 | 成瀬は信じた道をいく | 宮島 未奈 | 2024年本屋大賞作品「成瀬は天下を取りにいく」の続編 |
2025年の本屋大賞は阿部 暁子氏の『カフネ』に決まりました。
2024年の本屋大賞で注目された宮島 未奈氏の『成瀬は天下を取りにいく』の続編、『成瀬は信じた道をいく』などの話題作もランキングしています。
【Audible】で配信中の作品は?

2025本屋大賞ベスト10の【Audible】での配信状況は以下
<タイトル> | <【Audible】配信状況>※2025年5月現在 |
カフネ | 配信中 |
アルプス席の母 | 配信中 |
小説 | 配信予定なし |
禁忌の子 | 配信予定なし |
人魚が逃げた | 配信中 |
spring | 配信予定なし |
恋とか愛とかやさしさなら | 配信中 |
生殖記 | 2025/8/29配信予定 |
死んだ山田と教室 | 配信中 |
成瀬は信じた道をいく | 配信中 |
ベスト10のうち6作品が配信中、1作品が配信予定、3作品が配信予定なしといった状況。
配信予定の『生殖記』を含めると7作品をAudibleで聴くことができるようです。
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【Audible】で配信中の6作品を徹底解説!

それでは2025年本屋大賞『カフネ』から順に、【Audible】で配信中の6作品を解説していきます。
『カフネ』(大賞)
<著>阿部 暁子
<朗読>岸本 百恵
著者は2008年に『屋上ボーイズ』で第17回ロマン大賞を受賞し、作家デビューを果たした阿部 暁子氏です。
<あらすじ>
法務局に務める「野宮薫子」。
いつも寄り添ってくれていた弟が急死した彼女は、遺言書の約束を果たすため弟の元恋人だった「小野寺せつな」と出会う。
無愛想な態度のせつなにイラ立つ薫子。
しかしひょんなことから家事代行サービス活動をしているせつなを手伝うことから、二人の関係は次第に変化していくことに…
終始、薫子の視点で描かれる本作は【Audible】でも楽しみやすい作品でした。
弟の死という現実だけが唯一の接点である薫子とせつな。
二人の関係が”食”を通じて深まっていく中、徐々に移り変わっていく薫子のせつなへの気持ちに感情移入させられ、気づけば物語に引き込まれていきます。
次々と明かされる真実と予想のつかないラストへと突き進む感動ストーリーは、再生時間約10時間半を感じさせないほどの納得の本屋大賞作品でした。
活字でも”美味しさ”が伝わる、家事代行料理人せつなが作る一品にも要注目です。
『アルプス席の母』(2位)
<著>早見 和真
<朗読>河井 春香
著者は2008年に補欠の高校野球部員を描いた『ひゃくはち』で小説デビューを果たした早見 和真氏。
2019年に発刊された『店長がバカすぎて』は第17回本屋大賞ノミネート作品にも選ばれています。
<あらすじ>
神奈川県で一人息子を育てる「秋山菜々子」。
夫に死別された彼女は、中学野球のシニアリーグで活躍する「航太郎」との二人暮らしだ。
関東一円からスカウトされるほどの航太郎だったが、甲子園を目指すために選んだ高校は大阪の新興校。
息子と共に大阪へ移住することを決意した菜々子だったが、慣れない土地やチームの父母会の人間関係に追われる日々…。
苦悩と挫折にもがく母と息子の甲子園への夢は果たして叶うのか!?
他の野球小説とは一味ちがった目線で描かれる本作。
高校球児の母親の一人称視点で描かれる物語は、”聴く読書”でも十分楽しめる作品でした。
元高校球児でもある著者の早見氏。
ドラマチックな高校野球ではなく、その裏側にいる人達の泥臭いリアリティーな部分を描く本作は、野球素人には興味深く面白いストーリーです。
個人的には「店長がバカすぎて」のコメディーっぽい印象がある作家さんだったので、いい意味で期待を裏切られましたね。
男の子を育てる親御さんなら共感させられること間違いなしの一冊!
親子愛の難しさと素晴らしさに涙…です。
(T_T)
『店長がバカすぎて』
『人魚が逃げた』(5位)
<著>青山 美智子
<朗読>下妻 由幸、他
著者は2017年に単行本『木曜日にはココアを』で小説家デビューをはたした青山 美智子氏
2021年『お探し物は図書室まで』、2022年『赤と青とエスキース』、2023年『月の立つ林で』、2024年『リカバリー・カバヒコ』、そして今作『人魚が逃げた』を含め5年連続で本屋大賞ノミネート作品として選考されています。
<あらすじ>
”人魚が逃げた…”
SNSでトレンド入りした言葉はまたたく間に拡散された。
どうやら王子と名乗る青年が銀座の街をさまよい歩き人魚をさがしているらしい。
そんななか、人生の分岐点を迎えようとする5人の男女もまた銀座をおとずれていた。
不可解な言動を続ける王子に出会う彼らに待ち受ける運命とは…
そして王子は人魚を見つけることができるのか?
銀座の街にあらわれた謎の王子と、5人の男女を描く短編連作小説。
五つの話が一つの物語へと繋がっていく構成が秀逸で、伏線回収されていく展開が最高に面白い作品です。
アンデルセンの童話をバックボーンに、心がすれ違う人間模様を描く本書は、
「人の心なんてわからないな~」
そんな気づきを教えてくれる物語でもありました。
一話の再生時間が約1時間とスキマ時間で聴けちゃうので【Audible】との相性もバッチリ。初心者さんにもオススメの一冊です。
『赤と青とエスキース』
『恋とか愛とかやさしさなら』(7位)
<著>一穂 ミチ
<朗読>林 菜々子
著者はボーイズラブ小説『イエスかノーか半分か』で注目をあつめた一穂 ミチ 氏。
2021年に一般小説『スモールワールズ』でデビュー。2024年カは『ツミデミック』で第171回直木賞を受賞しています。
<あらすじ>
交際5年の「啓久」にプロポーズされたカメラマンの「新夏」。
しかし翌日、啓久は女子高生を盗撮し捕まってしまう。
”この事実を許すのか、許さないのか…”と葛藤する新夏。
一夜にして変わってしまった二人の関係は修復できるのか? 新夏と啓久が最後に選んだ”答え”とは?
”愛すること、信じること、許すこと”を問う、斬新な角度から描かれる恋愛小説。
”自分が新夏や啓久と同じ立場だったらどうするだろう?”
おもわず考えさせられてしまう、他の恋愛小説とは一線を画す本書。
新夏視点の前半と、啓久視点の後半でパート分けされており、Audibleでも感情移入しやすかったですね。
聴き手によって二人の心情に共感できたりできなかったりと意見が分かれるところも面白いです。
新夏の気持ちは理解できる反面、啓久の気持ちも(もちろん盗撮はダメですが(^^;))わからんでもないという、答えのないストーリーに没頭させられてしまいました。
読後は意見の不一致で、間違いなく嫁とのバトルになるであろう問題作!?
”男の性(サガ)だから…”とは言い訳できません。
『ツミデミック』
『死んだ山田と教室』(9位)
<著>金子 玲介
<朗読>斉藤 隼一
著者は、本作で第65回メフィスト賞を受賞し小説家デビューを飾った金子 玲介氏。
『本の雑誌』が選ぶ2024年度上半期ベスト1にも選出された本書は、今回紹介した2025年本屋大賞ノミネート作品にも選ばれ注目をあつめました。
<あらすじ>
夏休みが終わろうとする8月29日。
飲酒運転の車に轢かれ「山田」が死んだ。
誰にでも優しく、面白くて勉強もできる山田は2年E組の人気者だった。
二学期の初日。どんよりと悲しみに沈む生徒たちの空気を変えようと、担任教師は席替えを提案する。
そのとき教室のスピーカーから、山田の声が聞こえてきた!
スピーカーに憑依し、声だけとなった山田と2年E組の生徒たちとの不思議な日々を綴る青春物語。
男子高校生ノリのアホさ加減全開で描かれる淡い青春物語。
僕のような昭和オッサン世代には、遠い学生時代を思い出し、ノスタルジックな感覚さえ覚えてしまう作品です。
死んだ同級生がスピーカーの声で戻ってくるというシチュエーションも面白く、山田とクラスメイト達との友情物語がどんな展開を迎えるのかと期待させられてしまいます。
ただ登場人物が多いのと、三人称視点(複数の人物からの視点)で描かれるため、Audibleでは感情移入しづらい部分はあるかもしれませんね。
「男子高校生xファンタジー」という異色の青春ストーリー!
驚きのラストにも要注目です。
『成瀬は信じた道をいく』(10位)
<著>宮島 未奈
<朗読>鳴瀬 まみ
著者は2021年『ありがとう西武大津店』で第20回「女による女のためのR-18文学賞」大賞・読者賞・友近賞をトリプル受賞した宮島 未奈氏。
2023年に刊行されたデビュー作『成瀬は天下を取りにいく』は、2024年本屋大賞を受賞しています。
<あらすじ>
我が道を突き進むスーパー女子高生「成瀬 あかり」の高校3年の受験シーズンから大学1年までの出来事を全5編で描くストーリー。
成瀬に憧れる小学生、娘の受験にヤキモキする父、クレーマー主婦、観光大使活動を共にする女子大生…。
パワーアップした個性あふれるキャラクターたちと成瀬が交錯する人間模様は、前作に負けないインパクトで展開していきます。
さらには成瀬が書置きをして失踪!? 物語の結末や如何に?
昨年の本屋大賞作品の続編となる本書。
今回も主人公「成瀬 あかり」の突き抜けっぷりが痛快で、あっという間に聴き終えてしまいました。
何事にもまっすぐな成瀬が魅力的なのはもちろんのこと、彼女を取り巻くキャラクターたちも中々に際立っており、ブレない成瀬に振り回される彼らに愛おしさすら覚えるほどです。
とくに”クレーマー主婦”と成瀬との絡みは最高で、個人的には前作よりも面白いのでは?と感じさせるほどでしたね。
再生時間も約5時間とAudible初心者にも聴きやすく、読後の爽快感もアラフィフ父好みの一冊!
もちろん2024年大賞作品でもある前作『成瀬は天下を取りにいく』もAudibleで聴けちゃいます。
『成瀬は天下を取りにいく』
アラフィフ父のオススメ作品は?

アラフィフ父の独断と偏見で選ぶオススメ作品は…
1位はやはり大賞作品の『カフネ』でしょう。
純粋に物語として面白かったです。
相容れない二人が次第に惹かれあっていく展開に釘付けになりました。
背景にある”食”というテーマが、物語に彩を与えてくれているのも良かったですね。
薫子の一人称視点は感情移入しやすくAudible向き。
ミステリーっぽい要素もあり、再生時間の長さを忘れるほど没頭させてくれるストーリーでした。
『カフネ』 | オススメ度 |
次点は『成瀬は信じた道をいく』
前作であげたハードルに負けないほど面白かった本作。
成瀬のインパクトはそのままに、取り巻くキャラクターたちがパワーアップ。
成瀬に翻弄される展開が最高で、個人的には10位は過小評価では?と思わせるほど楽しませてくれました。
『成瀬は信じた道をいく』 | オススメ度 |
次にあがるのが
『アルプス席の母』と『人魚が逃げた』
『アルプスの母』は高校野球を球児の母親視点で描くという発想が斬新でしたね。
母と子の絆を描くストーリーは、終始胸にこみ上げるものがありました。
高校野球のリアリティー過ぎる実情もわかる面白い作品です。
短編で構成された『人魚が逃げた』はAudible向きの連作小説。
”銀座”と”王子”という共通の背景のなか、五人の物語がシンクロする瞬間に感動させられる作品でした。
ラストまでの展開が読みづらくイッキに聴くとダレちゃうので、初心者さんはひとつひとつの短編を自分のペースで楽しむのが良いでしょう。
『アルプス席の母』 | オススメ度 |
『人魚が逃げた』 | オススメ度 |
ラストは
『恋とか愛とかやさしさなら』
『死んだ山田と教室』
『恋とか愛とかやさしさなら』は、”実際に二人の立場だったら自分はどうするだろう?”と、両方の視点で考えさせられるストーリーは興味深かったですね。
ただ個人的な感想としては、ちょっと話が重くアラフィフ父好みの小説では無かったかなと…
『死んだ山田と教室』の青春ノリはアラフィフ父的にも嫌いでは無い作品。
死者がスピーカーに憑依するという発想と、意外性のあるラストも◎でした。
しかしながら【Audible】とは相性が悪いかなと感じるところも。
登場人物が多く、コロコロと視点が変わる三人称視点の進行は、時折理解しづらい場面もありました。
『恋とか愛とかやさしさなら』 | オススメ度 |
『死んだ山田と教室』 | オススメ度 |
まとめ

今回は『2025年本屋大賞ベスト10決定!大賞作品『カフネ』を含む【Audible】で聴ける6作品を徹底解説!』というテーマで記事をお送りしました。
紹介した作品はコチラ!
〇『カフネ』
阿部 暁子
〇『アルプス席の母』
早見 和真
〇『人魚が逃げた』
青山 美智子
〇『恋とか愛とかやさしさなら』
一穂 ミチ
〇『死んだ山田と教室』
金子 玲介
〇『成瀬は信じた道をいく』
宮島 未奈
どれも個性ある作風で楽しませてくれた面々。
とくに大賞作品の『カフネ』はアラフィフ父も納得の面白さでしたね。
このあとAudibleで配信予定されている『生殖器』も楽しみなところです。
本屋大賞の発表から『成瀬…』以外の5冊を【Audible】で聴き始め、2週間ほどで全冊読破(聴破?)したアラフィフ父。
通勤時間とウォーキング中のスキマ時間利用でタイパ的にgood。
月額1,500円で6冊の本を楽しめ、コスパ的にもgoodでした。
どの作品も面白そうだけど読む時間がない…
予算的に何冊も本を買うのはハードルが高い…
そんな人に【Audible】は検討余地のある選択肢。
老眼で活字を読むのがしんどくなってきた僕のようなアラフィフ世代の方にも、”聴く読書”は目の負担が少なくオススメです。

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今回の記事の感想をコメントから聞かせてくれたら励みになります。
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
次回の記事もお楽しみに。 (^^♪