今回紹介する【Audible】作品は
『おいしくて泣くとき』です。
<著> 森沢 明夫
角川春樹事務所
『おいしくて…』というキーワードと、海辺にたたずむ少年少女の表紙イラストとのミスマッチ感が気になってダウンロードしてみた本書。
”子供食堂”を背景に、巧みなストーリー展開と構成力で描かれる物語は、まるでミステリーを読んだかのような気にさせてくれる一冊でした。
映画化もされた話題作は、はたしてアラフィフ父の胸に響く作品だったのか!?
さっそく紹介していきましょー!
『おいしくて泣くとき』は【Audible】でも楽しめる作品だった!?

結論から言えば『おいしくて泣くとき』はAudibleでも十分楽しめる作品でした。
理由は3つ…
1.明瞭な文章とストーリー展開!
分かりやすい文章で描かれる物語は、Audible初心者には聴きやすいです。
純文学的な小難しい表現は控えつつ、一人称視点で登場人物の心理をうまく捉える文章力が、徐々に世界観へと引き込んでいきます。
二つの物語が同時進行していきますが、時系列に沿って話が展開していくので混乱することもありません。
2.登場人物の視点の切り替えがわかりやすい!
「心也」「夕花」「ゆり子」。
主にこの三人の視点が切り替わりながら物語が進む本書。
聴く読書は、前触れなく視点が切り替わると頭が追いつかず混乱しがち…
そういった点、章の始めに誰の視点からかを明示している本作は、ナレーターの美月さんの演技力によるカバーもあってAudibleでも理解しやすい内容となっています。
3.再生時間の長さを感じさせない秀逸な構成!
再生時間9時間越えと、ちょっとハードル高め?と感じてしまう長編小説。
ですが、二つの物語を巧みな構成力とストーリー展開で魅せる本書は、”気づけば読み終えていた”とおもわされてしまうような作品です。
とくに伏線が回収される終盤は、時間を忘れるほどイッキに集中させられてしまうでしょう。
『おいしくて泣くとき』|作品紹介

2020年6月に角川春樹事務所より発刊された本書。2021年には”うつのみや大賞2021年大賞”を受賞しています。
著者は小説・エッセイ・絵本など幅広い分野で活躍されている森沢 明夫氏。
2025年4月にはアイドルグループなにわ男子の長尾 謙杜さん主演、横尾 初喜監督で映画公開されています。
本作以前には、2022年に森沢氏の代表作のひとつである『大事なことほど小声でささやく』も後藤 剛範さん主演で映画化。
その時も横尾監督がメガホンをとっており、再び森沢氏とのダブルタッグで製作されたことが話題となっています。
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<著>森沢 明夫
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『おいしくて泣くとき』|あらすじ

「大衆食堂かざま」は、事情のある子供が無料で食事をできるサービス”こども飯”を提供している。
その店の息子である「心也」は怪我で好きなサッカーができず、晴れない気持ちで中学最後の夏休み前を過ごしていた。
ある日のこと心也はクラスで目立たない同級生「夕花」と二人で学級新聞の編集委員を任される。
じつは夕花は時々”こども飯”を利用している一人だった。
次第に打ち解けあう二人は夕花が提案した「ひま部」を結成する。
距離を近づけていく二人だったが、夕花には複雑な家庭事情があり…
『おいしくて泣くとき』|【Audible】で聴いてみた感想と評価

『おいしくて泣くとき』をAudibleで聴いてみた感想は…
「長~い前フリからの結末の爽快感がヤバい!」
でした。
タイトルと表紙イラストから僕がイメージした話とは全然違っていたのですが、そのハードルを軽く超えてしまうほど面白い小説でした。
ここまで”最後の最後でやられたー!”と思わせてくれたのは、ミステリー以外では初めてだったのでインパクトありましたね。
読後に聴き返してみると、いくつもの伏線が引かれていることに気づき、あらためて森沢氏の緻密な構成力に驚かされました。
”こども食堂”を背景に貧困と格差という社会問題を描きつつも、読み手(聴き手)をハートフルな気持ちにさせてくれるという点でも、アラフィフ父の胸にドンピシャの作品でございました。
良かったと思う点は…?

すべてが繋がる物語の構成が秀逸!
別々の視点から描かれる物語は、時系列を追いながら巧みな構成で進行していきます。
終盤にすべてが繋がる瞬間は、鳥肌が立つこと間違いなしの作品です。
一人称視点は登場人物たちの心情に共感できる!
一人称で描かれるストーリーは、各々の細やかな心情を読み取ることができ、登場人物たちの気持ちに共感させられます。
同じシーンを心也と夕花の別々の視点で表現し、心の動きの違いを描くことで物語に深みをもたせているのも面白かったです。
Audible初心者をカバーしてくれるナレーションがgood!
登場人物の視点が次々と変わる本作。
Audible初心者が戸惑いがちなこの問題を、ナレーションの美月さんの演技力がいい感じにカバーしてくれます。
僕が感じるAudibleの短所は場面転換のわかりづらさ。
これを補うのはナレーターの力量次第というのはあるとおもいます。
そういった点で、”幼さ残る心也・夕花”、”大人のゆり子”との演じ分けが見事だった美月さんの朗読はgoodでした。
イマイチだったかなと感じた点は…?

結末がわかるまでは半信半疑?
長いフリに、”いったい最後はどうなるの?”と期待以上の結末になるか半信半疑でした。
徐々に盛り上がる中盤からも、結末の展開が読めないので不安になってしまいましたね。
いくつかの回収されなかった伏線が気になる?
多くの伏線がちりばめられた本作。
そのため物語の本筋じゃない部分まで気になり、”そういえばあれってどうなった?”と、いらぬところまで伏線回収を求めてしまいました。
まあそこは読者の想像の余地も残さねばという、著者の計らいもあるところなのかもです。
アラフィフ父の五段階評価は…?

というわけで、アラフィフ父の五段階評価はコチラ!
Audibleでも内容は理解できた? | |
ナレーションの魅力は? | |
エンターテイメント性は? | |
総合評価は? |
まとめ

今回は【Audible】で聴ける感動小説
『おいしくて泣くとき』
をご紹介しました。
記事をまとめるとこんな感じ…
・明瞭な文章とわかりやすい一人称視点で描くAudible向きの作品!
–
・まさかの結末へと繋がるストーリー展開と構成が秀逸!
–
・聴き手をカバーしてくれる美月さんのナレーションがイイ感じ!
–
・長~い前フリに半信半疑もラストは…(T_T)
タイトルとイラスト絵の印象だけで手にしてみた本書。
レコードのジャケ買い(最近の人は知らないか…(^-^;))ならぬ、Audibleのジャケ聴きで選んだ本作はアラフィフ父的にはアタリの小説でしたね。
はじめて森沢氏の作品に触れ、どんな方なのかと検索してみたらイケオジの同世代だったのでチョット憧れてしまいました。
(無論、嫉妬心含む…(-_-;))
そんな森沢氏に興味をもった僕みたいな人は、森沢小説のラインナップが充実したAudibleでコスパよく楽しむのは悪くない選択肢。
今回紹介した『おいしくて泣くとき』以外に映画化されている作品も多数あるので、小説版と比較してみるのも面白いかもしれませんね。
こちらもオススメ!
<著>森沢 明夫
角川書店
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最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
次回の記事もお楽しみに。 (^^♪